11月2日付の信濃毎日新聞朝刊記事(長田君からの報告)
見出し
秋の褒章 734人21団体
桑田佳祐さん・谷川浩司さんら受章
県内関係 12人1団体
長野ホタルの会会長 三石暉弥さん
自然環境を保全 戻った光
記事(ポーズ写真付き)
長野西高校(長野市)に生物教諭として赴任した1978(昭和53)年にホタルの保護と生態調査を始めた。退職1年前の93(平成5)年には「長野ホタルの会」を立ち上げ、活動は30年余に及ぶ。「私1人の受章ではなく、仲間や生徒みんなでもらったもの」と穏やかに喜ぶ。
「クラスの大半の生徒がホタルを見たことがない」ことに驚いたのが、活動のきっかけだ。顧問を務めた生物班の生徒と学校近くの川の環境を整え、再びホタルが舞うようにした。長野ホタルの会では県内各地の住民の求めに応じて、ホタルが育ちやすい水辺や水田作りを助言してきた。
「ホタルを守ることは、水や緑、土や空気などの自然環境を守ることにつながる」。誘客目的でホタル保護を始めた人が、環境保全にも視野を広げる様子にやりがいを感じるという。「自然や生き物を残すためにどうすればいいか、これからも考え続けたい」。長野市吉田。83歳。
関連リンク
自然の中は飽きない
1993年の発足時から「長野ホタルの会」会長を務め、蛍の保護や生態調査などを続ける。取り組みが認められ、本年度の「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰を受けた。元高校の生物教諭で、生徒や地域住民らと一緒に活動。「私一人でなく、みんなの力が表彰につながった」と喜ぶ。
78(昭和53)年に長野市の長野西高校に赴任した際、「クラスの中で蛍を見たことがある生徒が数人しかいないことに驚いた」。生物班の生徒と共に研究を始め、山ノ内町の志賀高原に生息する蛍の生態の研究や、長野市内の川に蛍の餌となるカワニナを放流する活動などに地道に取り組んだ。
南佐久郡青沼村(現佐久市)出身で、「子どものころに蛍が舞う自然の中で遊んだ思い出が原点」。「自然と触れ合うと思いやりの心が育つ。子どもたちに自然の素晴らしさを伝えたい」と意気込む。
飯山市や諏訪市に赴任した時は、乱獲で減り始めていたミヤマシロチョウなどの高山チョウの調査にも携わった。「自然の中にいると飽きない」と笑う。長野市吉田の自宅で妻と2人暮らし。
(2012年5月11日付 信濃毎日新聞北信版)
(三石先生の写真は5月9日、信濃毎日新聞社長野本社で長田君が撮影。11日の紙面に掲載されたのは信毎の記者が撮影した別の写真です)
<関連資料>
平成24年度 「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰 被表彰者
長野西高の教諭時代に始めた30余年のホタル研究の集大成―卵、幼虫、さなぎ、成虫まで、自ら撮影した珍しい生態写真が満載。ホタルの保護や復活を通じて豊かなまちづくりを提言する。
ホタル研究25年に及ぶ著者が、長野県および全国で残る地域版「ホタル狩りの唄」1200点余を収集。独自の歌詞の起源を解きながら、日本人のホタルへの思い、自然へのまなざしを読み解く。「ホタル雑学」も収載。
華やかなゲンジボタルに比べ、淡い光のヘイケボタルの生態を、長年の研究成果と豊富なデータを基に、やさしく楽しく著す。人工飼育の手引き書としても使える。